森 由華(職位 総華督)
「 曙色 」
彩雲へ 翔けのぼるかな
あらたまの
花たずさえて 曙のとき
花形 立花新風体
花材名 ストレリチア、枝垂柳、椿、南天、白髪松、梅、霞草、杜松
令和六年辰年
皆様のご健康と ご多幸を
心より 祈念いたします
本年もご一緒に 宜しくお願い申し上げます
「 天藍 てんらん 」
花形 立て花
花材 蘭、霞草、クロトン、ヘリコニア、ユーカリ、梅擬、キョウチクトウ
日本最古の花伝書と言われる「花王以来の花伝書」に描かれる立て花は、最近とみに人気があり、花器も増えてきました。その中から特別に美しい藍色、天藍を使った花器に初春への思いを立てました。
凛とした空気、澄み渡る冬空の色。気持ち晴れやかに、新しい年を迎えられますように。
天藍は私たちの希望の色、でもあります。
藤井 崇之(職位 脇教授一級)
「 瑠璃色の地球 」
花形 生花新風体
花材 南天、枝垂れ柳、デンファレ
「心の色、夢の色」これが今年のエキシビジョンのテーマである。心の中、意識の中に描かれる心象風景を現す色といって良い。年を跨い
でも依然として続くロシアによるウクライナ侵攻、ハマスとイスラエルの衝突、米中対立等、世界がこぞって自己主張を続け、歴史が生み
出したひずみを感じ、なんとなく窮屈な世界に生きている。自己主張を続けるのではなく「利他の心」を持ち、「瑠璃色の地球」をそのま
まの姿で残していきたい。そういった想いを胸に、難を転じる南天、流れに逆らわず従順でありながらも自由に躍動する枝垂れ柳、思いや
りの花言葉を持つデンファレを主・用・あしらいに用い、生花新風体に仕上げた。
伊藤 浩(職位 脇教授一級)
「 彩雲 」
花形 自由花
花材 サザンカ 南天 カスミソウ オブリザダム ミスカンサス
あけましておめでとうございます。
タイトルの「彩雲」とは自然現象で、太陽の光で上空の比較的薄い雲がその縁に沿うように赤、黄、緑などの色に分かれて見える現象のこ
とです。
私自身は「彩雲」を見たことがないのですが、よく見られる現象のようです。
「彩雲」を見ると、幸運が訪れる兆しと言われていること、雲の緑色の流れが龍(龍神)に見えるとのことでとても縁起がよいそうです。
今回は「彩雲」に想いを馳せて、白い花器やカスミソウを雲に見立て、花や葉で色々な彩を表現してみました。
皆さんには、私の「彩雲」を見て頂き、幸運をが訪れることを願います。でも、たまには空を眺めて本当の「彩雲」を探して見てください。
渡邊 由香利(職位 脇教授三級)
「 辰年 2024 」
花形 自由花
花材 五葉松、白髪松、南天の実、胡蝶蘭、オンシジューム
心の色 花の色
2024年、辰年の幕開けにふさわしい上昇する縁起の良い龍をテーマとして制作に挑みました。
コロナ禍で行動を制限されて、思うように活動できなかった日々も徐々に緩和され、明るく活発な幸せな年になる様、願いを込めました。
おめでたい紅白には南天の実の紅と胡蝶蘭の白、新年花にはなくてはならない松は五葉松の緑、黄色と緑の白髪松を用い、より華やかにする為、黄色のオンシジュウムをアクセントにしました。
U字花器には金色と緑色の三つ編み水引を巻き、昇り龍のイメージを表現しました。
心の色を花材、花器を使って表現できるいけばなは、本当に素敵だと思います。
初挑戦で緊張の連続でしたが、皆様のおかげでインターネットエキシビジョンに参加できましたことを心より御礼申し上げます。
三位 まどか(職位 皆伝)
「 今の気分を 」
花形 自由花
花材 青いコチョウラン、コリウスの仲間、アンスリウム、マツバラン、ランタナ、ハボタン(葉)
ikebanaで今をうつす作業は、浄化作用があるから、好きです。
この世界には、どこかテンションの上がらないブルーな気分で、お正月を迎えている人がいるに違いない。
そう考えて、ブルーをテーマに致しました。
2度のリハーサルでは、正月花も使ったのですが、撮影本番では、ブルーの花を主役にする気持ちが固まったので、あえてメジャーな正月
らしい花材は使いませんでした。
金継ぎの花器は、自分で直しました。
生まれ変わってまた生きる、傷を癒して…。
持続可能な(永遠に見続けられる)、甘い平和な世界を心に持ち続けること、それが私の夢です。
今は、それが少しブルーに見えるけど、寒さがあるから、後に来る暖かさがありがたいものになるのだと、信じています。
今しかできない花を、今年もよろしくお願い致します。