池坊麻布橘会支所7周年記念花展 開催に向け 特設ページを作りました
これから11月2日〜5日の本番まで 参加メンバーの紹介 花展内容について ご案内して参ります
オープニングは キービジュアル制作 宮師雄一さんへのスペシャルインタビューです
森
宮師さん、こんにちは。今回は「素晴らしいアート」とも言えるキービジュアルを作ってくださり、心から御礼を申し上げます。
さすが!!と感激の声が皆から上がりました。制作者として、このデザインについての思いを聞かせていただけますでしょうか。
宮師
ひとの手から手へと受け継がれてきた、いけばなの「軌跡」。
そして、この時代に花をいけるという、ひとつひとつの「奇跡」。
キービジュアルでは、「KISEKI」という言葉をひとつの“器”と見立て、その中に、秋の草木を立花の構成で静かにたたえました。
植物たちは言葉の輪郭に寄り添いながら、風のように流れ、重なり、過去と未来を結ぶ時間のかたちを描いています。伝統を尊びながらも、そこに新しい息吹を通わせる。
このデザインが、麻布橘会らしい多様でモダンな美意識のひとつのかたちとして、これからの活動とともに、静かに進化していくことを願っています。
森
有難うございます!
軌跡、奇跡。そして、私からはこのホームページのタイトルいけばなbijouxのbijouxが”貴石”という意味でもありますから、キセキが三つ重なる意味を思うと、さらに感慨深いです。
森
そして、キービジュアル下には花紋があり、これは何ですかとお尋ねしたら、「池坊麻布橘会のマークです」と仰り、二度びっくりしてしまいました。
このマークにも宮師さんならではの思いが込められているのでしょうか。
宮師
花に宿る、まっすぐな強さ。葉に漂う、やわらかな気配。
麻布橘会の紋章は、麻の花と橘の葉、ふたつの命が交わることで生まれたものです。
光と陰、動と静、重なりあうものをそのまま受けとめて、ひとつの調和のかたちに整えていく——
それは、いけばなそのものの精神でもあります。小さな印が語るのは、会の心、そして未来への祈りです。
森
会の心…嬉しいです。池坊の紋「橘」を囲み守るような麻の花の紋、これからも伝統を継承しながら未来へと繋げたいという私たちの思いそのものです。大切にして参ります。
池坊人ならではの感性もお持ちの宮師さんだからこそ、このデザインが出来たと言えますね。せっかくですからご自身の紹介、また池坊いけばなと、どのような出会いをされたか、ご説明いただけますでしょうか。
宮師
アートディレクター/グラフィックデザイナーとして、気がつけば約40年、音楽や広告、出版の世界でビジュアル表現に携わってきました。
池坊との出会いは、京都・北野天満宮での「KYOTO NIPPON FESTIVAL」の仕事がきっかけでした。
その後、高槻亮輔さん主催の「インスパイア華道部」で池坊を初めて体験し、ただ「美しい」だけでは語れない、いけるという行為の奥深さに心をつかまれました。
以来、森由華先生のもと、麻布橘会の一門として、日々学びを重ねています。私にとっていけばなは、「表現」であると同時に「対話」のようなもの。花を通して、世界や人と、そして自分自身と向き合う時間なのだと感じています。
森
宮師さんのようなデザインや創作の世界で活躍されている方が教室にいてくださると、私も刺激を受けます。いけばなに対する姿勢も、他のメンバーにはお手本となっています。
宮師さんにはこれから、何か夢というか展望はありますでしょうか。
宮師
いつか実現したい夢があります。
それは、歌人だった祖母が遺した歌集に寄り添いながら、その言葉ひとつひとつに花を添えていく『歌花展』をひらくこと。
言葉と花、それぞれが持つ“余白”が静かに響きあうような、そんな風景をかたちにしてみたいと思っています。
森
素敵!お祖母様の和歌と宮師さんのいけばな。時空を超えたコラボレーション。実現させてください、応援いたします。
では、最後になりますが、本花展に対する意気込みとメッセージをいただけますか。
宮師
特別なことをしようとは思っていません。いつものお稽古で学んでいることを、そのままに、のびのびと表現できたらと思っています。今回ご一緒させていただく麻布橘会の社中は、どの方も志が高く、あたたかく、これからの未来に向けて、心からつながれる仲間たちです。
そんな皆さんとともに、ひとつの空間をつくれることが、今から楽しみでなりません。そして、この花展の舞台は六本木ヒルズ。発信力のあるこの場の「理(ことわり)」を生かして、いけばなのもつ静かな強さや、美しさの深さを、より多くの方に感じていただけたら——それが何よりの願いです。
森
力強いメッセージをいただき、心から感謝いたします。出瓶者全員の心に響いたと思います。
全員でお客様を気持ちよくお迎えできる空間を本番までに作りあげていきましょう。
このキービジュアルをご覧くださり、インタビューをお読みくださって興味をお持ちくださいました皆様、本番まで、この花展ページでは花展にまつわる情報を発信して参りますので、ご覧くださいませ。よろしくお願いいたします。
池坊麻布橘会支所
支所長 森由華