『旧七夕会と、池坊専宗様 青年部始動記念企画参加報告』

『令和5年度旧七夕会』にいってまいりました。

春のいけばな展は伺ったことがありますが、旧七夕会は今回初めてです。

また同期間内に開催された『池坊専宗様 青年部始動記念企画』に参加する機会もいただきましたのであわせてご報告いたします。

六角堂にあります家元道場は、来るたびに気持ちが引き締まる神聖な場所だと感じます。

家元、次期家元、池坊美佳審議役、池坊専宗青年部代表などの作品を直接拝見することが出来、

池坊の厳かさ、美しさ、喜び、難しさなど言い尽くせない感情が自分の中で湧き出て大きな感動を味わいました。

華道家元池坊(8~4階)には特命教授、研究室選抜者などの作品に加え、支部選出コンクールの作品を拝見する事ができました。

特命教授陣の講評を参照しながら、それぞれの作品を見る事で非常に勉強になる部分が多々ありました。

更に今回は大丸店にも会場が設けられ、照明をいかした展示作品が並んでいました。

青年部始動記念企画は、華道家元池坊の2階にあるホールで開催。

池坊専宗様、落語家の桂吉坊様、池坊横浜碧洋会支部青年部長の川嶋孝憲様によるパネルディスカッションなどが催されました。

舞台の奥の大作は司会進行も担当された藤井真先生の作品。

立派な作品ですが、藤井様より『未完成であり、最後の仕上げをお三方にお願いします』とのご案内があり、

出てきたのが大きな3本の白い百合の花。

それらを専宗様、桂様、川嶋様が1本ずつ作品にいけ、完成しました。

作品が完成した後、事前に配られた池坊のロゴが入った特製タンブラーにペットボトルをセットし、皆さんで乾杯。

パネルディスカッションでは『職業病』『尊敬する師匠』『ターニングポイント』についてそれぞれのコメントをいただいたり、

『どのように発展したいか、どのようにありたいか』についてをフリップに書いていただき、記載された内容についてお話いただきました。

お三方それぞれのエピソードやお考えをお話いただき、

笑いもあれば、なるほどと感じる事も多く、あっという間に時が過ぎました。

特に最後に専宗様が仰っていた

『個人の学びと、社会に接していけばなを伝えていく両輪があってこそ、客観視ができ、自分のお花の枠を広げることが出来る』

ということは、シチュエーションと規模は異なりますが、

私たちが普段お稽古をしつつ、インターネットやリアル花展などで一般の方々に作品に触れていただく機会を作る事、

それらの作品を通じて家族・友人・知人とコミュニケーションをとる事においても参考になる部分があり、

日々のお稽古と、定期的な世の中との接点作りはどちらも大切だと感じました。

楽しいだけでなく、池坊に対する自分の考えを改めて見つめ直すことができました。

貴重な機会に参加させていただき、本当にありがとうございました。


香奈里