感謝をこめて



十二月三日、悲しいお知らせが届きました。

佐賀県唐津支部の元支部長先生で、池坊華道会常務理事の多久島良子先生が、九十四歳でお亡くなりになりました。
私が池坊をはじめた頃から活躍されてお名前は知れ渡る佐賀の大先生。朗らかな笑顔、暖かく豪快なお人柄は廻りにも慕われ、憧れの大先輩として私もファンの一人です。

多久島先生はまさに花の力、を体現されていらっしゃいました。

二十年近く前、ご自身の生徒だった山﨑さんが東京に転勤された時、私にご紹介くださいました。緊張とともにどれだけのことが出来るかと不安でしたが、池坊もったいないプロジェクトやいけばな体験など、山﨑さんがお勤めの小学校に何度も呼んでいただき、協力して華道振興を深めました。今は麻布橘会の先輩格となりメインメンバーとしてもお稽古に励んでいます。

そのような出会いがあっての三日の訃報に驚いていると、昨日届いた池坊の月刊新聞には、先生が十一月一日付けで池坊専永宗匠より、家元華﨟職「准華老補」を拝受された記事とお写真が掲載されていました。
言葉がありません。


花の人、
多久島良子先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
先生から託された山﨑さんをこれからも見守って参ります。
どうぞ、次の場所でも花をいけて廻りを明るく照らされてください。
たくさんの感謝をこめて、有難うございました。

先月の旧七夕会、道場席での先生の御作品にとともに、御礼申し上げます。



森由華