花展出瓶のご挨拶🟦石川貴章

このたび池坊の花展に、自由花で初めて出品の機会をいただき、大変光栄であるとともに、身の引き締まる思いでおります。日々の稽古を通じて、花や枝が本来もつ姿を尊重し、その生命の流れをいかに素直に表現するかという池坊の教えの奥深さに触れてまいりました。

私はベンチャー企業の経営者であり、また経営学を研究する立場でもありますが、限られた資源の中で調和を見いだし、新しい価値を創造する営みは、花をいける姿勢と重なるものを感じます。まだ未熟ではありますが、今回の作品では基本を大切にしつつ、稽古で学んだことを精一杯表現したいと存じます。

ご覧いただく皆さまに、花が持つ清らかさと静かな力を少しでも感じていただければ幸いです。今後も謙虚に学びを重ね、池坊の道に精進してまいります。

🟦石川貴章