出瓶のご挨拶🟪高木暁子
草木は、地に浅く深く根を張って生きている。
命あるものはすべて 根となるものによって存在する。
人も先人、祖先によって いま、生かされていることを知る。」
京都六角堂で遭遇した池坊専永宗匠のお言葉に心を打たれ、池坊のいけばなを学び初めたのは、10数年前のことです。以来、師匠の森由華先生のように花の美しさを引き出せたらと歩んで参りました。
そのような私は、曾祖母が117年前に創立した学校を引き継ぎ、次の時代を創る女性を輩出することを命としています。

今回の花展では、自らの根となるものを作品のテーマに据え、自らの使命に改めて思いをはせることにしました。
この作品は、曾祖母が詠み、学園のステンドグラスのモチーフにもなっている和歌の世界(「まどの外(と)を すぎゆくかりの ひとこえに ことしのあきも ふけにけるかな」)を表現しました。
秋の深まりゆく様子、世代を越えた精神の継承を感じて頂ければ幸いです。
高木暁子🟪