MORIYUKAstyle-池坊 第7回
五月から始まりました 新カテゴリ
MORIYUKAstyle-池坊
私が過去の花展やイベントで発表したいけばな作品について、その当時の制作過程や作品に対する思いを知っていただき、 皆さんが自身での作品制作をする際のヒントになればと願います。
自分だけで楽しむいけばなとは違い、人に見ていただく発表の場合、喜びの前にたくさんの悩みや不安がついてきます。
楽しく悩みましょう! それがいけばなの醍醐味です。
七回目にご紹介するのは
2015年10月 池坊東京会館 一階エントランスホールで開催されたジャズライブコンサートに花を添える自由花 「 cosmos 風に搖れる乙女達 」です
前年のコラボレーションイベント「White Love」でご一緒させていただいたジャズピアニスト 永田ジョージさんのご依頼でした
日本人の枠にはまらないpassion と impressionな世界を持つ ジョージさんに相応しい 「今 この瞬間」だけに 儚くも魅力溢れる秋の花 といえば コスモスしかありません
しかし コスモスは茎も細く 切り花にすると保ちにくい花生け込みは昼間のリハーサル前しかなく 夜本番まで保つのかどうか…
いつもながら綱渡りをする心地 先ずはピンクのコスモス200本と 風の動きをイメージした枝垂桑を発注
当日生け込みは アシストしてくれた豊田さんとひたすら水揚げとワイヤリング テーピング ワイヤリング
儚げな秋風の裏には 見えないテクニックが盛り沢山でした
昼間の顔
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夜の顔
![](https://morikadou.com/wp/wp-content/uploads/2020/08/2_IMG_2555-858x1024.jpg)
風に搖れるコスモスの表情が 昼と夜では全く違って見えた花がステージにあるといいですね とスタッフの方が仰ってくださいました
一輪一輪の花が 会場の皆さんと一緒になってピアノとヴォーカルのスウィングも 軽やかに響いたことでしょう
このようなコラボレーションは 依頼主あっての作品ですからイベントの趣旨や 会場 季節 などを優先させてその中で最大限 何が出来るかを考えることが重要です
制約を逆手にとって チャレンジしてみるのはいけばなの新たな可能性を引き出せる チャンスでもあります
![](https://morikadou.com/wp/wp-content/uploads/2020/08/3_IMG_2554-1024x576.jpg)
コスモスの魅力とあやうさ 今でもこの季節になると思い出します
あの時 ジョージさんがいつも あたたかく握手してくださるのに照れてしまって きちんと握手を返せなかった私でも 花では お返ししていたのですよ 素敵な出会いを 有難うございました
では 次回に繋げていきましょう!!
9月15日 自由花を予定しています
森由華