MORIYUKA-style池坊 第8回
皆様こんにちは 東京は秋雨前線の影響で 気温が下がり
いけばなbijoux 生徒さんのファッションも 秋先取りの色が多く
季節のうつりを感じます
日が暮れるのが 早くなってきましたね
さて 五月から始まりました 新カテゴリ
MORIYUKAstyle-池坊
私が過去の花展やイベントで発表したいけばな作品について、その当時の制作過程や作品に対する思いを知っていただき、 皆さんが自身での作品制作をする際のヒントになればと願います。
自分だけで楽しむいけばなとは違い、人に見ていただく発表の場合、喜びの前にたくさんの悩みや不安がついてきます。
楽しく悩みましょう! それがいけばなの醍醐味です。
八回目にご紹介するのは
2007年 9月
日本橋三越百貨店本店で開催された 池坊の特別展での大作自由花
◆叙情 をいける
当時 池坊由紀様( 現在の専好次期家元 )を中心とした
若手の華道家ばかりの 初めての花展ということで
会場は大変 熱気に溢れていました
この作品は 最初に花材ありきでスタート
九月の花材として 大好きな紫式部とフーシャピンクの蘭を使おうと決めていました
そこに 学生時代の思い出を 重ねて叙情的に
夏の終わり 海
真夜中 ドライブ
水平線に沈む満月
続く 光の道
波間に 月のかけら
と重ねられたイメージに 花をいけられるよう
ベースとなる屏風の造形を 制作しました
◆統一と変化
全体構成は 色や質感を統一させて
どこかに 変化を持たせる
この作品では 屏風の片側に濃い色の和紙を重ねています
白いボートのように見えるのは 椰子の葉柄
乾燥して硬くなったものを
立体的に 屏風に接着させました
花展会場で ダウンライトの下に作品を搬入した時
群青 と 花紫
コントラストが映えて 嬉しかったことを憶えています
イメージを具体にする 自由花は
細部まで形にこだわりすぎることがありますが
命を纏った花が主役 と意識すれば
作者の思い入れも和らぎ
あとは 鑑賞者の想像に委ねる
花を使った表現だからこそ
余裕が必要なのでしょう
では 次回は10月15日を予定しています!
森由華