peacefully – 花に託す思い 

今回の自由花のお稽古は加工素材の使用を課題に。

脱色されたモフモフな穂と、ユーカリのような佳い香りがする銀香梅などを花屋で選んできました。

可愛い穂がしっぽのよう。大好きなピーターラビットの絵本が思い出され、いけていて楽しくなりました。タイトルは「hide and seek (かくれんぼ)」です!

その日の夜はピーター、ラビットのふるさとイギリスで、エリザベス女王の国葬があり、現地からの映像を通して「花の持つ力」に圧倒されました。

献花のために開放された公園。エリザベス女王の車に降り積もった沿道から投げられた花々。城内を進む葬列の脇の芝生に広がる色とりどりの献花。(献花は堆肥として再利用される予定とのこと)

(英国大使館への献花は2700以上 9.18撮影)

最後までエリザベス女王の御許を飾った花束は、チャールズ国王により宮殿や王室の庭から縁の花材が選ばれました。銀香梅(マートル)はエリザベス女王自身の結婚式で手にしたブーケから育てられたものだったそうです。

供花 – 祈りの花は池坊のいけばなの長い歴史の中でも、とても大事にされています。

一輪だけでも、白でなくても、旅立つ人への思いを花に託すことで、残された人や捧げる人自らも癒され、救われる。

それは、いにしえより和洋を問わず、人の心に備わるもの。

美しく荘厳な儀式をLIVEで見届け、そのような思いに至りました。

この日いけた自由花に期せずして選んでいた銀香梅。ささやかな祈りも加わり、忘れられない作品となりました。

はななす

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