『泊船』木瓜一種生

高槻 亮輔  (准教授二級)

花形 生花正風体
花材 木瓜

海外で日本文化の話になったときに、目の前のテーブルにあるフラワーアレンジメントを拝借して、池坊ではこのようにアレンジするのですよと実演すると「これもまた美しい!」という反応を示してくれます。

左右対称な西洋のそれに対して、私たちの華道は非対称の表現です。生花であれば、太陽との関係から、陰方と陽方が生まれ、必然的に非対称になります。詰め込む美に対して、削ぎ落とす美の表現とも言えます。そうなる理由を説明し、さらに公称で550年を超える歴史があることを補足すると、みな、目を丸くして驚きます。

仕事以外にも話の幅が拡がることで、一層仲良くなるという効果もありますから、ビジネスパースンこそ、華道を嗜むことを「推し」たいと思います。

華道を続けていて良かったと感じるのは、こういった時で、それ自体が私の「萌え」です。

海外と日本を行き来する日々が再開しました。準備を万端整えて、明日出帆する大きな船が港に静かに停泊する様子を表現した泊船。まさに、そのような気持ちを託しました。


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