利休の心

藤井 崇之  (脇教授1級)

花形 生花新風体
花材 シンビジウム、金明竹、センリョウ

今年のエキシビジョンテーマは『推し』『萌え』であった。私の『推し』は『千利休』である。言わずと知れた「わび茶」の完成者だ。お稽古で学んだ利休百首にある一句が心に残っている。「稽古とは一より習ひ十を知り十よりかへるもとのその一」という和歌である。「はじめての一に立ち返ることでより磨きをかけ、新しい発見をする」という意味だ。

新型コロナからの経済再開が始まる中、22年はロシアによるウクライナ侵攻、インフレの加速、米中対立の激化等、様々な出来事に振り回される日々となった。このような環境下、しっかりと地に足をつけ、基礎に立ち返り日々精進する自分自身でありたい。

そのような願いを込め、煌びやかなシンビジウム、スッと天に伸びる金明竹、縁起物のセンリョウを「主・用・あしらい」として生花新風体とした。奴雁をイメージした金明竹に守られたシンビジウム、コントラストをもたらすセンリョウのバランスをご覧頂きたい。


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